新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は28日、2010年度から米国のニューメキシコ州で始まる次世代電力網「スマートグリッド」の日米共同実証事業の事前調査について、東芝や京セラなど31社・機関が日本から参加すると発表した。3月末までに事業化が可能な研究テーマを評価し、4月には事前調査参加者の中から実証事業者を絞り込む。自然エネルギーの大量導入時代を支える“賢い電力網”の有効性を確かめる大規模プロジェクトの体制づくりが大詰めを迎える。
日米共同実証事業の総事業費は、約130億円の見込み。このうち日本が、約30億円を負担する。日本は米ロスアラモス地区とアルバカーキ地区の2カ所で行う実証事業で米国と連携して、NEDOがリーダー役を務める。その下に4つのグループを編成し、4年計画の実証事業を進める。
今回NEDOは、その実証事業前の調査に協力する委託先を決めた。東芝など2社以外では、日立製作所やシャープ、日本ガイシ、明電舎、伊藤忠商事、清水建設などが参画する。
スマートグリッドは情報通信技術を駆使して電力の流れを最適に制御する技術で、天候に左右される自然エネルギーを大量導入する場合に威力を発揮する。
実証事業では、太陽光で発電した電力と蓄電池を組み合わせた次世代送電システムの試験を進め、既存電力網への影響について調べる。加えて、家庭で消費する電力をリアルタイムでデータ化し電力事業者に自動送信する高機能電力計「スマートメーター」などを活用した試験も、一般住宅と比較しながら実施。スマートグリッドの国際標準化活動につながる成果の獲得をめざす。
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